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自殺と縁がない人との埋められない溝

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自殺未遂の経験から、一般の人が自殺志願者の人に抱くイメージとか、アドバイスする内容に埋められない溝があるような気がしたので、それについて書きたいと思います。

死ぬ勇気があれば何でもできる!

勇気とはまた違うんですよね。心が健康な人にとっては、死ぬ気でやればなんでもできるんだからそのエネルギーを他のことにぶつければ、と思うんでしょうけど、エネルギーがほぼゼロになってしまって、死ぬことくらいしか選択肢に上がらなくなっちゃったんですよね。
「死にたい」という状況になる前には、できる限りのことをしている人が多いんですよ。それで頑張っても解決しなかったり、挫折を繰り返したりして、気力も何もなくなるという感じでしょうか。鬱の人に頑張れと言ってはいけないと同じで、既に頑張っているんですよね。

生きていればきっと良いことがあるよ!

こういう論調で優しい雰囲気で語りかけるポスターとか多いですよね。空を見て、とか、やりたいことを思い出してとか。
そういう状況ではもう無いんですよ。楽しいことがないから死ぬとかって、そんなことで自殺している人はいないと思います。
言葉では「もう生きてても楽しいことないしー」とか言う人もいるかもしれませんけど、その言葉の背後にはメンタルの病やトラウマが潜んでいますので、言葉通りに受け取っちゃダメです。思春期の一時的に死にたい気分になっている人には励ましとか、話を聞いて構ってあげるとかも有効ですが、ガチの人はそうではありません。
「死にたい」という欲望、願望っぽい言葉が誤解と批判を招いている気がします。「死にたい」ではなく、正しくは「死ぬことが最上の選択肢になってしまった」ということです。

自分だけ楽になろうとして迷惑かけやがって

人身事故で電車が遅延したり、人通りの多いところで飛び降り自殺とかあるTwitterとかでこの類の言葉が飛び交っていますね。
叩く標的を探し回っている人がたくさんいるこんな世界で弱者になってしまったら、助けを求めることなんてできずに死を選んでしまう人も多くなるでしょうね。
日本の自殺者は年間3万人弱(自殺と認定されてない変死扱いの人をいれると更に増えるという説もあり)すごい数ですよね。楽になろうとしてって、生きているとそんなに苦しみだらけなんですね。殺人でも死刑にならないケースだってあるのに、自ら死を選んでしまうんですよ。実際自分も有名な犯罪者と自分をどちらが罪深いが比べていたりしましたしね。
この「迷惑」というのがポイントで、自殺してしまう人たちは生前迷惑をかけることが苦手だったり、罪悪感を持ちやすい人だったのではないかと思います。生きている時も損な役割を押し付けられ、会社や学校や家庭でいじめにあったりして、死んでからも迷惑かけてと叩かれるという何とも悲しいことですよね。
むしろ、迷惑をかけている自覚やためらいがなく、恥や罪の意識を感じない方が自殺とは縁遠くなると思いますね。自殺者を減らすには、どんどん迷惑かけちゃいましょ!責任とかメンツとかどうでもいいじゃないですか!恥も罪も関係ない!って考えを広めた方が効果があるんじゃないかとも思います。

樹海に行け!という思考停止

自殺のトピックがあがると、必ず樹海出てきますよね。なんか決まりでもあるんですか?自殺!→樹海!って掛け合わないといけないとか。
樹海!って叫ばないと次は自分が自殺してしまうとか。
私も親に樹海に行けと言われましたけど、皆さん樹海に期待し過ぎです。樹海に年間3万人近くの人を受け入れるだけのキャパないですよ。
それに、そんな状況の人にとってわざわざ樹海まで行くのも大変だし、道具を用意するのも大変ですよね。道具どこで買うの?え、ホームセンター行くの?みたいな。樹海と言い放っておしまいの人は、そもそも自殺するような人とは同じ世界に生きていないんですよ。だってそれじゃ何も解決しないから。自殺なんか考える奴らは樹海に行かせればいいんだ、というね。昔、ホームレスについて「全員無人島に連れていって自給自足したらいい!あいつらは社会を捨てたんだから。働きたくない怠け者なんだから。」と言い放って拍手喝采されている人を見たことがあるけど、これも樹海の人と同じなんだと思います。社会から捨てられたのかもしれないでしょ。同じ世界に生きてないくせに、同じ能力や立場があると考えちゃうんですかね。

自分が思う自殺防止策

自殺を考える人はほぼ鬱状態です。鬱になっている場合は薬が一時的には効きますが、その原因が取り除かれないとリバウンドします。
大体、お金、病気、家庭環境、トラウマ、発達障害のどれかが原因になっています。
経済が良くなって、給与の良い仕事が簡単に見つかるようになったり、老後の不安が軽減されれば自殺者の総数は減るはずです。
病気を苦にして命を絶つ人もいるので、新しい治療法が確立されたり、治らないにしても生きている間の心身の苦痛を和らげる方法があれば(そして治療費などお金の心配がなければ)死を選ぶ人は減るでしょうね。
一般の人たちからのアドバイスって、当事者にとっては難易度が高いことがあります。例えば、「仕事なんて、そんなに頑張らなくても、とりあえず出勤していればいいんじゃない?」というアドバイスでも、発達障害があって遅刻をしがちだったり、みんなと同じペースで仕事がこなせないとかもありますし、睡眠障害があって朝起きられないだけでも普通の仕事に継続して就けないことがあります。
それには原因があって、対処法があるケースもあるんですが、多くの人は自分はダメだとか、もっと頑張らなければと責めて、最終的には絶望しちゃうことがあります。トラウマも自覚症状ないことが多いので、適切な治療が受けられなくて悪化させてしまうんだと思います。
いじめは学校を転校したり、行くのを辞めたりすれば、いじめの被害には遭わずに済みます。でも、先のことを考えちゃうから、なかなか親も子供自身も決断できないんですよね。このまま引きこもりになったらとか、仕事に就けなくなるんじゃないかとか。色んな働き方がある多様性のある社会になればそういう不安も減るのではと思います。こういう学歴がないととか、一度でもレールから外れたらいけないとか強迫性の高い社会は結局誰も幸せにはできないのではないでしょうか。

自殺の相談を受けてしまった人へ

友達や家族から死にたいと相談を受けてしまうとどうしたらいいかわからなくなりますよね。的確なアドバイスをすることは不可能に近いので、とにかく話を聞いてあげるのが良いと思います。辛いね、大変だねとただ共感して聞いてもらうだけで相手は随分と楽になるはずです。
そうするとひっきりなしに連絡が来てしまう可能性もありますが、全部受けていたらつぶれてしまうので、適当な理由をつけて無理のない範囲で対応してあげるので良いと思います。運悪く、相手が亡くなってしまうこともあるかもしれませんが、それはあなたのせいではありませんので、自分を責めないようにしてください。どんな状況でも生き残る人は生き残ります。


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投稿者: YURI

1982年生まれ。幼少の頃よりアトピー、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎を持つ。成長と共に症状は軽くなるものの、就職をきっかけにアトピーが激悪化。以降、10年以上に渡ってアトピーに苦しむ。また、家庭環境と本人のADHD的な性質により、アダルトチルドレンになり、鬱を患い、自殺未遂も経験する。

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